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第1章 出会い

苦痛と緊張の連続、
大学受験から ようやく解放された春。

なんとか第一志望の大学に合格し 晴れて自由の身の、
この何とも言えない解放感。

及川 綾子、十八歳。
一応彼氏もいるし お洒落もしたい、旅行だってしたい、って事で 早速 アルバイトを始める事に。


たまたま家と最寄り駅の中間に 最近開業の歯科医院があり、そこの開業医の先生が 綾子の母と知り合いらしく
親も安心だろう と言う事で とりあえず面接に。

何せ初めてのアルバイト、大人に混ざって自分に何が出来るんだろう、歯医者の 助手補佐って どんな事をするのだろう、
人見知りな性格も手伝って 面接直前は やはり気持ちが重い。

「大丈夫よ、助手補佐 って言っても 資格もないんだし たいした事はしないよ、真面目な優しい先生だし。」

母は 笑顔で そう見送った。

しかしながら 不安一杯の気持ちで 歯科医院のインターホンを押す。

白い円襟のブラウスに グレーのプリーツスカート、ストッキングに慣れないパンプス。
制服ではないが 制服のような服装。

病院の門構えはベージュ系のレンガで 暖かみのある 立派な建物、なんだか庭も駐車場も広い。
今はお昼休みの時間 かな？