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この春 少女から、、。
第18章 代償
「はぁい出来たよ。」
いつものうちの素麺、ツルツルと美味しい、ゆっくり噛みしめる。
最近は 夕食も家族一緒はほとんどなかった、それぞれの時間に 母の用意したものを食べる。
父も兄も遅い事が多く、皆と ゆっくり顔を合わせる事も 少なくなってきた。
綾子がほとんど部屋に篭ってる って事もあるが。

母が ガラスのお皿に 山盛りのサクランボを持って来た。
ほら、綺麗でしょう、甘いよぉー、っと一つ摘みながら。
「月曜日 何食べたい?兄ちゃんも早く帰れるって。」
「お寿司 がいいかな。贅沢?」
思い浮かばないので 兄ちゃんの好きな お寿司 と言ってみた。
母は嬉しそうだった。

素麺を半分くらい食べて サクランボを三つ食べた。
あまり食べて また吐くといけないし、でも 今の精一杯だった。
部屋に戻ろうとしたら 母がおでこに 手を、、。
「熱はなさそうね。」

暖かくて優しい手だった。

部屋に戻ると 携帯がブルブル鳴って 切れた。
見ると 純一からの 着信、四回も!

あっ、、、どうしよ、、。
その瞬間 また鳴り出した。

「あ、ゴメン純一、ご飯食べてた。」
「綾子、、、。」

久しぶりに聞く 純一の声、、。
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