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この春 少女から、、。
第19章 最後の
何も会話もなく ポルシェはゆっくり走る。
綾子の虚ろな目には 何も映らない。
窓に落ちる雨の薄い線を ただ数えるようにぼんやりしていた。

黙々と走る車の中、懐かしいENYAが流れているような気がする。
何故ここに居るんだろう、
どうして乗ってしまったのか、、。
よぎる疑問にも 興味を失くしていく。

別世界に向かってるような景色、どこへ向かっているのだろう、、。
多分見たはずの風景が 違う色に見える。
瞼が重い、泣き過ぎたのか眠いのか、
半分夢の中に いるようだ。

赤い鳥居の駐車場に着いた。

院長に肩を抱かれて ゆっくりと建物に入っていく。
女の人の声、
どうぞどうぞと 誘導してる。

ずいぶん歩いた気がする。
疲れた、、。

ゆっくりと 部屋の奥の布団に寝かされた。
どこからか小さな水の流れる音、
心地よいお香の香り。

ゆっくりとシャツのボタンが外される。
中のシャツも 脱がされていく。
背中に腕が周り ブラを外す。

ジーンズのボタンが外れスルスルと脱がされた。
パンティも 取られた。

涙が頬を ゆっくり伝って いく。

白いフカフカの布団の上に 真っ裸で横たわる。
どこか上の方から 自分で自分を見下ろしている。
無抵抗過ぎる 自分を。

目は 天井の蛍光灯をぼんやり見ていた。

私はもう天使になったの かな、、。
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