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この春 少女から、、。
第21章 十九歳
外は蒸し蒸しして 初夏だというのに 少し肌寒い。
風邪でもひいたかな、、。

下半身が重く 寝不足もあり ぼんやり講義を聞いていた。
ドクドクと時折 生理が流れ落ちてくる。

何とか学校に辿り着いたものの 最近の不摂生もあり 半分居眠りの綾子。教授の声が遠く聞こえる。

今朝までの事は
もうすでに別世界の自分のようだった。

帰りの車で 聞いてみた。
「院長、、、
これから どうされるんですか、、。」
「もう ここには いない かな、、。
綾子、本当に ありがとう。」

ヴォン ヴォン ーー!!
ポルシェの音が とても悲しく聞こえた。

『院長、、、
ありがとうございました。
さようなら、、。』

きちんとお礼もお別れも 言えなかった。
あんなに感じ合い求め合ったのに、、
少々非現実的な関係だから?
暖かい大きな懐に 実は癒やされていたのかもしれないのに、、。

もちろん いつまでも理性が望む関係ではなかったが、すぐに割り切れるほど利口な身体でもなく。

突然現れて 突然去って行った院長。

女の悦び、身体の本音の疼き、
その刻印はすでに明確に残されていた。
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