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第22章 仲直り

大学では初めての前期試験が始まった。
高校とは違い 本持ち込みの試験があったり レポート提出だけの試験もあったり。
自由と責任が同時進行の大学生活にも随分慣れて来た。

試験の一段落した週末に 純一と会う約束をしていた。

約一ヶ月ぶりのデートはかなりドキドキする。嫌な事を忘れて 仲良く楽しく会いたい。
また きちんと気持ちも伝えたい。

この春から 色々な事があった。
院長との恥ずかしい出会い、羞恥から官能の螺旋階段を登っていった密会。

思い出すのもおぞましい出来事、魂が破壊された。

性病、妊娠疑惑の不安は 生まれて初めて この世から消えたいほどの孤独を味わった。
すっかり 自分が大嫌いになった。

誰か 人を嫌いとか憎いとかの精神的負担もかなりストレスだけど、
それが 自分自身に向くのは相当恐ろしい。
全てのエネルギーを 喪失させる。
あっと言う間に奈落に落ちて 暗く寒い 深海に一人で居るようで。
誰にも説明出来ない 疎外感と 孤独感。

世の中には きっともっと辛い局面の人は必ず居るのに 自分の時間だけか特別に思える。

心に病気が巣を張るって こんな感じなのかもしれない。

院長にも救われた。
家族の存在にも。