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この春 少女から、、。
第6章 約束
突然の会食、突然の告白から 数日経った翌週。

仕事の 与えられた範囲は 卒なくこなせるようになってきた。

院長は 何もなかったように これまで通り、優しくもない 冷たくもない、拍子抜けするほど 会話も事務的な最小限。
綾子は
あの日から 混乱し過ぎて 悩み過ぎて、、
きっと 暇潰しにからかわれてるのだ、と思うようになった。
自分にとっては 夢にまで出てきそうな 衝撃の出来事ばかり、
だけど オトナのオジサンにとっては 朝飯前的な、きっと 何でもない事なんだ、、と。

そう思ったら 少しラクに なった。


その日 診察時間終わって 一人で DM案内をまとめてた時、
珍しく急患が 来られた。

ちょうどスタッフは帰ったところで
院長一人で対応する事になった。

「カルテ出して下さい。」

受け付けをしながら また ちょっとドキドキしてしまう。

院内で 二人 っていう このシチュエーションは、どうも 何かを狂わせる。

患者さんは 幼稚園児で 母親に抱かれ 泣き叫んでいる。

慣れない歯医者で 怖いんだろう。
母親がようやくなだめて 子供さん用の 診察椅子に座らせた。

治療が始まると また 泣きべそ、、。

母親が なだめる 大丈夫、大丈夫、と。
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