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tsu-mu-gi-uta【紡ぎ詩】
第42章 罪を起こさせたのは心だった~韓流時代劇トンイより~
どちらが良いか悪いかではない。

 もしかしたら、先に私が見た方がヒビンの真実に近い死に様だったのかもしれせん。

 昨夜のヒビンの去り際はいささかヒビンを美化しすぎているようにも思えます。

 ただ、トンイは淑嬪がもちろん主役ですが、嬉嬪もまたもう一人の

 主役というべき人だと思います。

 なので、あくまでも正義を貫き通したトンイの対になるべき、もう一人の主役として

 ヒビンもまたある程度は凛然とした生き様をしたように描かなければ

 つりあいが取れなかったというのもあるでしょう。

 ドラマの最初でもいわれたように、まさにトンイは光でヒビンは影でした。

 そして、そのヒビンとはあくまでも対極の生き方をしたのが

 トンイです。

 人を裏切らないトンイの生き方に私は共感できるものが大きいです。

 ここで自分の生き方を出せば興ざめなだけだとは判っていますが、

 私もいつも誰かを信じて誠意を尽くそうとしては、裏切られて、果てはいつしか

 自分が悪者に仕立て上げられ罵られている-といったバカを見ることが多い。

 時には、そういう自分の方がやはり愚かモノなのかと落ち込むことはしきりですが、

 踏みつけられても相手に対して誠を尽くそうとするトンイの真っすぐな姿勢は

 そんな自分の生き方がけして間違っていはいないと言ってくれているようで、

 昨夜はヒビンの死に様以外にも感じるものはありました。

 そして、粛宗はついに三度目の王妃を迎えることになりました。

 この若い王妃さまもなかなか一筋縄ではいかないようで-、

 また後宮が騒がしくなりそうです。

 ただ、この王妃さま、話せば根は悪くなさそうにも見えるのですが-。

 トンイも残り少なくなってきました。

 是非、最後まで見届けようと思います。

 ちなみに、ある記録では、ヒビンの残した世子、後の景宗は母の死後、

 精神を病んでしまったといいます。

 何かあの息子のような少年がそんな生涯をたどったのだと思うと、

 哀しい。

 ヒビンが最後まで気に懸けて、しかも生命を引き替えにしてまで

 守ろうとした一人息子。

 その息子がヒビンの惨い死に方ゆえに狂ってしまったというのも

 皮肉な話です。 

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