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tsu-mu-gi-uta【紡ぎ詩】
第47章 もう一人のファン・ジニ~それぞれの物語に〝真実〟がある~
以前もお話しましたが、歴史家、研究者はやはり、史実にこだわります。

 去年、自宅の寺に芭蕉伝来の石碑があると見に来たアマチュアの研究家が

 単なる伝承なら、意味はないと早々に退散した話もしたと思いますが、

 研究家はやはり、真実を解き明かのが使命なので、真実かどうか、史実どおり

 でなければならないということに拘るのかもしれません。

 その点、物語りの書き手は→作家とはおこがましすぎるので、自分では言えない。

 真実であろうが伝承であろうが、どちらでも良いというのがホンネです。

 むしろ、ドラマチックな伝承は数があればあるだけ、好奇心と創作意欲をかきたてて

 くれます。 

 まあ、時代物・歴史物で、あまりに時代考証とか、史実から逸脱しすぎているのも

 私はそれは考えものかとは思いますが、守るべき最低限を守ってさえいれば、

 後は好きなようにフィクションを織り交ぜても良いと考えています。

 一つの史実についても、主説をとるか傍説をとるかで、また全然、別の物語りが

 できてしまいます。

 例えば早世した悲劇の安徳天皇とか源義経。

 彼等については実は死なないで、その後も生き延びたなんていう伝説は

 枚挙にいとまがない。仮に安徳天皇が実は生きていて青年になって-

 なんていうところから物語りを書き始めたら、それはもう史実的にはデタラメの物語りという

 ことになってしまいます。

 でも、小説としては、そういう作品もあっても良い。

 あくまでも、傍説ともいえない伝承の一つを題材にして書いている小説というだけ

 なのだから。

 それぞれの物語りに〝真実〟があると、私はいつも考えています。

 本来、史実は一つかもしれないけれど、その裏にかくされた可能性、

 つまり、もう一つの裏歴史は幾つあっても良い。

 そして、その中のどの〝真実〟を題材に作品を創るかは、その書き手作り手の

 自由です。

 もしかしたら、歴史上、新しい発見があって、それまで史実だと思われていたこと

 すらも次の日からは傍説になるかもしれない。

 だから、あまり史実どおりに拘っても、意味がないんじゃないかと。。。

 そういう意味で、映画版のファン・ジニはとても興味深い作品でした。

 
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