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第66章 皇帝の見た夢～ＮＨＫドキュメンタリー番組より～　

私が特に心を動かされたのは乾隆帝という皇帝が指示して作らせたという

　四庫全書しこぜんしょでした。

　
　【画像あり】


　中国の人口の大部分を占める漢族に対し、当時の支配層であった清朝は少数部族の

　満州族だった。

　その中には互いに差別意識があるから、まずはそれをなくすことが大切だと考えた

　皇帝は中国全土から集めた貴重な書物をいちいち自分がチェックして

　特定の民族への差別的表現が見られる箇所は削除するように命じたといいます。

　流石は清朝歴代皇帝の中で名君と今に語り継がれる皇帝だけはあります。

　それは四庫全書の中に記されている皇帝自身の言葉、

　多くの支流があるからこそ、港を知らなければ道を失ってしまう。

　港を知ることこそ要である。　　　　　　　　　　　

　に象徴されているといえましょう。

　【画像あり】
　

　何事も源、つまりルーツを知らなければ、今の自分が何者なのかを解き明かし知る

　ことはできない。

　まさにそのとおりだと思います。

　日本のように単一民族国家とは異なり、多数・少数も含めて数え切れないほどの

　多種多様の民族が集まった広大な国土を有する中国、

　その広大な帝国を治める皇帝だからこそ、そんなことを考えたのではないでしょうか。