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tsu-mu-gi-uta【紡ぎ詩】
第74章 悪女の【涙】は、どちらが本物か?~二人の妖婦チャン・ヒビン~
世子の母であるという尊い身分を思いやったからこそ、身体に傷を付けない

 方法で死なせてやうと思っていたが、最早、そなたに温情など要らぬようだ

 最期の最期まで夫に愛想を尽かされまくったヒビンでした。

 誰が見ても、見苦しい死に方です。しかし、役者さんの演技としてみれば、それほど

 真に迫った演技ということでもあります。

 私はこのチャン・ヒビンのイメージがあまりにも強烈すぎて、恐らく、その後、私自身が

 描くことになった韓流小説にもこの影響が出ていると思います。

 日本には悪女とか妖婦とかいわれる歴史上の女性は例えば日野富子と藤原薬子

 とかいますけど、ここまで悪女として有名じゃない。

 こんなに何度も繰り返してドラマになるほど有名な悪女って、何か凄いなーと

 感じました。

 そして、対するトンイのヒビン。こちらは主演ではありませんでしたが、

 トンイが光ならヒビンは影というように、ヒビンも準主役的に描かれました。

 こちらのヒビンも野心的ではありましたが、最期を見てみると、その死に方は

 とても美しい。

 最期は改心して王にも愛と感謝を残し、与えられた毒薬を自分から飲んで

 従容として死に臨みました。

 また粛宗自身もかつて愛した女の死を惜しみいたんで、涙を流した。
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