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tsu-mu-gi-uta【紡ぎ詩】
第117章 「幻影~在りし日の公園 」
「幻影~在りし日の公園 」

その場所に立った瞬間
ハッと別次元に意識がさらわれそうになった
なにげない平凡な日常から非日常へ
悪戯な時間の空白は時として人を現ならぬ世界にいざなう

JR倉敷駅北口からはるかに見晴かせる美しい塔
青空に向かってどこまでも伸びゆくかのような尖塔を戴くその建物を中心に
かなり広い空間が異国めいた情緒漂わせる広場になっている
まるで異邦人エトランゼになったかのような覚束ない
それでいて少しの時めきが混じった高揚した気分で
石畳の広場をゆっくりと歩いてみる
人気のない広い空間
澄んだ水が絶えず涌き上がる人工の泉水
泉水から すっきりと蒼穹に向かって立ち上がる塔を戴く建物
かつて それは「チボリの塔」と呼ばれていたという
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