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tsu-mu-gi-uta【紡ぎ詩】
第186章 紅葉が泣いている~古都の秋に想ふ~
ぼんやりと立ち尽くしていた私の肩に
通りすがりの誰かがぶつかっていった
謝ろうと慌てて振り返っても
カメラを担いだ中年男性はとっくに遠ざかっていた
図らずも 止まっていた周囲の刻(とき)が再びゆっくりと動き出す
何故か その日は境内をあちこち見て回る気にもなれず
入り口のもみじを見たきりで引き返した
御寺から続く三年坂と呼ばれる長い坂道を辿りながら
考え込む
「彼女」らの嘆きの理由は何なのだろう
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