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tsu-mu-gi-uta【紡ぎ詩】
第24章 こんな上司がいたら良い? ~鬼平犯科帳 寒月六軒堀より~
仇の男と婚約者は駆け落ちしてから江戸に来て同棲していたものの、

 喧嘩ばかり。とうとう女は廓に身を売り、男に身を売った金を手切れ金として渡した。

 男はその金を元手に金貸しになりました。

 女はその後、花魁にまでのぼりつめ、大店の主人に身請けされて後妻となり、

 旦那が死んだ後は女将として店を守っている。
 
 男はいまだにその店に客として通っていますが、既に二人の間には

 男女の関係はありません。

 ある夜、男が女の店から帰る途中、平蔵と老人は仇を討ちました。

 約束どおり、平蔵が用心棒たちと戦っている間に、老人は見事に仇を討ち果たした。

 私も思わずお見事と叫んだら、平蔵さんも同じ科白を言いました。

 そこに女-おとせが来る。

 平蔵は女というものは男と男の間に割り込んで、二人の間を

 どうしようねえものにしちまうと聞いたが、本当にそのとおりだ

 対して、おとせは

 二人とも女がどんなものかなんて知らずに死んじまいましたよ

 平蔵 男なんて、皆そんなものだ。

 女それじゃあ、あなたさまは?

 問いかける女に対して、平蔵は曖昧な笑みを見せて橋を渡り去っていきました。

 それを見送る女。

 最後に橋の下にひろがる水面に映る三日月。

 その月影がかすかに揺れている。

 そこでエンディングのインスピレーションが流れ出して終わり。

 最初は何故、タイトルが寒月六軒堀なのか判らなかったけど、これで判りました。

 季節は木枯らしが吹きすさぶ寒い冬、最後にうつし出される水面の月。

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