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tsu-mu-gi-uta【紡ぎ詩】
第29章 人の心は筋書き通りには動かない~ 鬼平犯科帳 炎の色より~
おまさは周囲を役人に囲まれた中から、お夏だけはひそか逃した。

 その時、初めて、お夏は信頼していたおまさが密偵で、自分は裏切られことを知る。

 事件後もおまさはずっと悩みました。

 平蔵とお夏、両方に対して済まないと思う気持ちがあったからです。

 思い悩むおまさに平蔵が与えた言葉が印象的です。

 人の気持ちってえものはな、思いどおりに行くもんじゃねえんだ。

 肝心なところでは、どんなにあがいてみても、人は自分の心の思うがままに

 しか動けねえものさ

 生き死にも定かではなかったお夏は再び江戸に戻ってくる。

 おまさに復讐するためでした。

 平蔵はその前にお夏に逢い、おまさの苦しい胸の内を伝えます。

 更に、おまさが今一度、お夏に逢い、自らわびて生命を絶つつもりだったとも。

 その時、お夏はおまさの心の真実を知りました。

 私を捉えないのですか、長谷川様

 問いかけたお夏に、平蔵は

 このまま上方ら帰りなと言い残し去っていく。

 最後におまさとお夏はひとめ逢い、別れを交わしました。

 その別れを陰から見守る平蔵。

 やがて、1人、ひっそりと上方に向けて旅立つお夏の姿が映し出され、

 エンディング。
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