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思い出のアルバム
第21章 赤い糸は…


「本当に……全然連絡もしないで、会ってもやれなくて……ごめんな。いくら試験の為と言えど……寂しい思いさせたよな……」


そう言いながら、ゆっくり抱き寄せられる。


その腕の中で、首を横に振った。



「沙織なら……わかってくれるって…甘えてたんだよ、俺。勝手だよな……」



そんな事ないよ……


そんな事……




「正直な俺の気持ち……昨年の夏くらいからの俺の気持ち、ありのまま話するけど、聞いてくれる?
沙織と、ちゃんと向き合いたいから……俺の事、ちゃんとわかってもらいたいんだ……」



昨年の夏………

確か6月頃、修ちゃんにいきなり会いに行ったら

部屋にあの女が居た。

その頃の……修ちゃんの……気持ち?



「1度、沙織がいきなり来たとき、部屋に礼子が居たろ?覚えてる?」


やっぱりその頃なんだ……。

ゆっくり頷いた。



「あの日は本当に、行くとこなくて泊めてほしいって来たんだ。沙織にも言ったけど、あの日は本当にそれだけ。お互いの今の話をしたんだ…」


静かに話する修ちゃん……


「その時、沙織との写真のボード見てさ、“修司が幸せなら良かった。私も忘れなきゃ”って言われて……正直、はぁ?!ってなったんだ。何も言わず、離れたのはお前だろって。でも、時間が経てば経つほど、アイツはずっと待ってたのか……って気持ちが沸いてきてきたんだ……」


修ちゃん……

揺れてたの?私と……あの女とで……


「沙織も受験だし、俺も本気で現役で司法試験合格したい気持ちがあったから、連絡しないって言ったけど…………本当言うと、出来なかったんだ。自分の想いがわかんなくなって……沙織も大事だし、礼子への想いも断ち切れてないのに気付いてさ……」



そっか……

じゃぁあの時、ちゃんと話していたら……別れてたかもしれないんだ…。



「中途半端は良くないって……はっきり自分の気持ちと向き合えるまで、沙織と別れるべきだって…沙織の為にも…そうしなきゃって正直思ったんだ。
あの時、何の為に付き合ってるのか……すげぇ考えたから。でも、いざ連絡しようとすると出来なくて……沙織の笑顔の写真見る度に……やっぱり隣に居てほしいとか都合よく考えて。ズルいよな……」


ゆっくり左右に首を振った。

そんな事ないよ……修ちゃん……




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