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思い出のアルバム
第21章 赤い糸は…
部屋に入ると、ソファーに腰掛けた。
いっぱい話たい事あるのに……
いっぱい話そうと思ってた事あったはずなのに……
いざ会うと、どうしていいのか、わからなくなる。
「なんか沙織……ちょっと見ない間に綺麗になったな……」
そう言われて横へ視線を向ける。
確かに、化粧をし、茶色に染めた髪をゆるく巻き
服装も安いものだが、色々気を使うようになった。
そんな意味で言われた言葉だったが、沙織はそうに捉えられなかった。
“彼氏……可哀想だな。知らぬ間に彼女がこんなに変わってるんだから…”
“お前は変わったよ…見た目もセックスも……”
前に言われたコーチからの言葉。
修ちゃんも……気付いてしまったんだと、沙織は勘違いしていた。
また涙が溢れてくる………
ごめんなさい……
ごめんなさい……………
スカートの裾を握り締め、俯いたまま顔を上げられない。
「沙織……」
何?修ちゃん………
「沙織……こっち向いて………」
ゆっくり修ちゃんの方に向く。
「せっかく会えたのに……泣くなよ。俺は、お前の笑った顔が好きなんだよ……って、こんなに泣いちゃうくらいほっといたのは……俺か…」
優しく頭を撫でながら声をかけてくれる。
そう……この頭ポンポン……大好きなの……
修ちゃん………
正直に言ったら……
嫌いになっちゃう?