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この出会いは…
第1章 最悪な出会いと最低な再会
「○×物産の人たちでした。」

「あれ?うちの取引先じゃん!」

「だから厄介だったんです!さっさと帰ろうにも帰れなかったんで。」

「お前、はっきり言うな〜」

「ホントに事故案件だったので。もらい事故はいやですから。」

「あっはっは。腹痛てぇ。」

「まぁ、本名知られなくて良かったです。」

「え?なにそれ!?偽名使ってんの?うわぁ〜こえぇ〜!」

「アレは嘘をつきたくもなります。」

「あっはっは。厳しいな。」

琴莉と滝本さんのやり取りを、一ノ瀬さんと星さんは笑って聞いている。
琴莉!合コンの相手を見た瞬間に本名を隠すことに決めたこと、バラしちゃったよ?
私は二人のやり取りをハラハラしながら聞いていたけど、隣を見れば、美怜は崩れかけていた外面をガッチリと固め直していた。

「琴莉と滝本さんっていつもそんな感じなんですか?」

ナイス、美怜!
話題を変えるつもりだよね?

「海外事業課ってお昼休みもなかなかお会い出来ないし、フロアでも琴莉がいなきゃ少し近寄り難かったんですよね。」

「あそこはいつも外国語が飛び交っているからな。俺も入りにくいわ。」

「月末〆近くの経理部も入りにくいですよ!」

「ははは、それはしょうがないでしょ!」

「一ノ瀬さんの営業企画課も!いつもバタバタしてて出入りが激しいですよね。」

「それもしょうがない!営業だからね、結局は自分の足で稼がないとさ。」
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