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第1章 最悪な出会いと最低な再会

押しに弱すぎる。
私も美怜も琴莉も！
琴莉は適当にあしらえないのは分かるけど。

今、私たちは座席スペースを区切っていた簾を上げて、広くなったお座敷のお部屋に六人で座っている。
散々にグチっていたあの時に戻りたい！
グチっていた内容も聞かれているし、会社の先輩方だし、居心地が悪い。
正直、合コンから抜け出してホッとしていたのに。
いきなり、また男の人たちと…

「まぁ、そうかしこまらないで。」

「何飲む？俺らも追加で頼むから。」

「はい。これ、メニュー。」

みんな優しくて気が利く。
ただ、やっぱり男の人が三人…
自然と呼吸も鼓動も早くなる。

初めこそ居心地が悪かったが、とりあえずビールで仕切り直しとみんなで乾杯して、話をしていたら、いつの間にか緊張は解けていた。
美怜と琴莉は楽しそうだ。
ハズレ合コンの話を無理矢理聞き出すわけでもなく、会話のテンポも聞き役のときも、ホントに会話上手だった。

「そうそう、『今日の総括！左から30点、25点、33点！』って言うのはちょっとツボだったな〜」

あ、いきなり合コンの話に戻った。
隣で美怜が咳き込んだ。
そう言えば美怜がそんなこと言ってたな。

「あの…滝本さん、それは、ですね…」

美怜の鉄壁の外面が崩れかかっている。
私はそれが面白くて笑ってしまう。

「そう言えば、相手の人、どんな人だったの？会社員？」