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第1章 最悪な出会いと最低な再会

「あの、……。」

自分のテンパり具合を自覚してしまったら、恥ずかしさと緊張で、もう言葉が続かない。
沈黙が流れ始めるが、一ノ瀬さんは顔色を変えずに微笑みながら私の言葉を待っていてくれていた。

「あの、すみません。」

「ははは、なんで謝るの。」

「いや…」

「聞いたのは俺でしょ？」

にっこりと笑みを深くして笑う一ノ瀬さん。

「それにその案件、契約を取ってきたの、俺たちなんだよね。」

二ッと笑い、優しい笑顔から少し意地悪な笑顔になる。
そう言えば、営業だって言ってたっけ。
たかが、社内報という人もいるかもしれないけど、私の仕事も一ノ瀬さんや美怜が一生懸命取り組んで繋いでくれているんだと思うとやる気が出る。
契約一つとっても、いろいろな部署のたくさんの人の思いが形になったものだから、社内外の人にしっかり伝わって欲しい。

「あの、私…、皆さんの努力の結果をしっかり社内の人に分かってもらえるように、私も頑張りますね。」

一ノ瀬さんは私の言葉に少し驚いた顔をした後、よろしくねと言って、また優しく微笑んだ。