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この出会いは…
第8章 彼の家
「知花も来週の金曜日?」

「あ、うん。まだ、お店決まってないけど…たぶん。」

みんなお店を決めてくれないのよ。
予約取るの私なのに…

「あはは、余裕!まぁ、ウチも広報も人数少ないからね。」

「新年用のプレスリリースが山積みで…みんな、声をかけづらいんだよね…」

「あっはっはっ、飲み会とかで一番下っぱなのは辛いよね。来年は後輩が出来るのかな…」

そう。社会人二年目の私たちには後輩がいない。
広報部にも、秘書室にも、海外事業課にも今年は新人が入らなかった。

テーブルの上がごちゃごちゃしてきたので、私と美怜、琴莉で、スーパーの袋に潰した空き缶を入れてたり、小皿をまとめたりして、キッチンに移動した。

「アンタの所はバンバン新入社員が配属される可能性はほぼないでしょ?」

「そうだね…琴莉の課は難しいでしょ。」

「えー、でも、私たち同期の同僚もいないじゃん。それって寂しいよね!」

「総務とかに異動願出せば?いっぱいいるわよ?」

「……いや…」

「あっはっはっ!じゃ、我慢しなさいよ!」

お皿を洗って、またリビングに戻ってテーブルをきれいにした。

「三人ともありがとう。あとは適当でいいよ。座って?」

一ノ瀬さんに促されて、またみんなでリビングに集まった。

「っていうか、琴莉が総務にいる姿想像したら笑いが止まらない。」

美怜が話を戻して、クスクスと笑っている。
私も想像したら、思わず笑ってしまった。

「私だって絶対いやよ。」

「あっはっはっ!だって、同期の同僚が欲しいんでしょ?」
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