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この出会いは…
第8章 彼の家
「そうか、みんな少数精鋭部署だからな。なかなか新人なんて入らないだろ?」

私たちの話を聞いて、星さんが笑った。
少数精鋭部署…?

「つまり、君たちは優秀な人材って事。」

「え?琴莉だけではなくて…?」

「そう。海外事業課はわざわざ説明するまでもないけど、秘書室と広報部もめったに新人は配属されないんだよ。異動もほぼない。」

「「え…」」

星さんの説明に私と美怜は固まった。
めったに配属されない部署に配属されていて、異動がないなんて知らなかった。
いや、その前に…優秀って…

「秘書室は重役相手だろ?広報はメディアを相手にするだろ?だから、選ばれた人間しか行かないんだよ。」

滝本さんも星さんに続いて説明してくれている。

「居酒屋で初めて会った時に驚いたのを覚えてるわ。佐々木をすげぇとは思ってたけど、同期もすげぇなって。」

「ははは、知花ちゃんも美怜ちゃんもなんて顔してるの。」

一ノ瀬さんに指摘されて我に返った。

「言ったでしょ、自信持ってって。会社にとって必要な存在なんだから。」

コソッと耳元でそう告げられて、顔が赤くなる。
今までそんな風に思った事がなかったから、嬉しいのに、素直に信じられない。

「まぁ、知花ちゃんには広報の仕事がピッタリだと思うよ。」

「は、はぁ…ありがとうございます。」

ニコリと微笑んだ一ノ瀬さんに、なんとも気の抜けたお礼しか返せなかった。
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