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この出会いは…
第8章 彼の家
「さて、三人とも優秀だと分かったところで、飲み直すか!」

滝本さんが立ち上がってキッチンへ行き、冷蔵庫を開ける。

「あー…酒、買いに行く?つまみも。まだ飲むだろ?」

「あ、俺も飲む。一ノ瀬、買ってきて?」

「はぁ、俺かよ。まぁ、いいけど、コンビニだぞ?」

一ノ瀬さんがコートを手にして、星さんと滝本さんに買い出しを頼まれている。

「一ノ瀬さん!一人じゃ大変でしょうから、知花をお供させます!」

はっ?
みっ、美怜、何言っているの!!

「はい、知花。コート。」

ちょっ…、琴莉まで!!

「えっ、と…あのっ…」

二人にコートを着せられて、ぐいぐいリビングから押し出され、笑顔で『行ってらっしゃい』と送り出された。
ご…強引過ぎるでしょ!

「ごめんね。でも、助かった。一人じゃ寂しいし。」

一ノ瀬さんが申し訳なさそうに笑って話しかけてきたので、首を横に振った。

「大丈夫です。一人じゃ重いですし。一緒に持ちます。」

「ありがとう。寒くない?」

一ノ瀬さんの言葉に頷いて、歩き出そうとしたら、手を引かれて驚いた。
手を繋いで歩いている。
状況を把握したとたんに顔が赤くなる。

「ふふっ。いいね、その反応。」

そう言って笑われた。

「またっ、からかって…」

「手、冷たいな。」

繋いだ手をじっと見たかと思ったら、そのままズボッと一ノ瀬さんのコートのポケットに収められた。
突然の行動にパニックになった様子も、一ノ瀬さんにはバレバレで、やっぱり笑われた。
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