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この出会いは…
第1章 最悪な出会いと最低な再会
「朝は…美怜と一緒に通勤しているので、大丈夫だと思います。帰りは…」

帰りは一人が多い。
大丈夫だろうか…。
明日、実際に乗ってみないと分からないというのが、本音だ。

「か、帰りも…今日ほど混んでいることは希ですし、大丈夫です、おそらく。」

「そっか。…おそらく、ね。」

一ノ瀬さんが何か考え込むような顔をして、黙り込んだ。

「だ、大丈夫です!あの…わたしっ」

「美怜ちゃんに話せる?今日のこと。」

「え…?」

「当分は帰りもなるべく誰かと一緒のがいいでしょ。」

あぁ、そういう事か。
ホントにこの人は細かいところまで…

「俺でも良ければ、時間合わせられる日は一緒に帰ってもいいんだけど、美怜ちゃんのが心強いでしょ?」

ホントに細かいところまで気を配ってくれる。
こんな人をたくさん振り回してしまった。
もう迷惑は掛けたくない。

「美怜に…相談、してみます。一ノ瀬さん、ホントにいろいろと、ありがとうございました。」

何から何まで気が利いて、その上仕事の出来る人材。
きっと会社でも人望厚いのだろう。
私の事でこれ以上振り回してはいけない人だと思った。

「俺は何もしてないよ。」

一ノ瀬さんはそう言って、また優しい顔で笑った。
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