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この出会いは…
第1章 最悪な出会いと最低な再会
「そう言えば。」

静かになりかけたタクシーの車内て、再び一ノ瀬さんが口を開いた。

「またみんなでメシでも行こうってやつ。知花ちゃんも賛成?」

いきなり話題が変わって、私は一ノ瀬さんの方に振り向いて首を傾げた。
賛成とは?どういう事だろう。

「滝本に話したら、やけに乗り気でさ。琴莉ちゃんもオッケーだったみたいなんだけど。知花ちゃんは?」

「私、が…?」

「この前みたく口数減っちゃうなら楽しめないでしょ?滝本たちは知花ちゃんが男の人が苦手だって事も知らないだろうし。」

なるほど、あとは私だけって事か。
美怜のこともあるし、断ったら怒られそうだな。
美怜の怒る姿を想像して、フッと笑ってしまった。

「知花ちゃん?」

「私も、構いません。み、皆さんがいい人だってことは…分かってますから。」

「そっか。ありがと。」

笑って答えた私を見て、一ノ瀬さんも笑った。
美怜が喜ぶな…

「社食での星さんの言葉…あのっ、社交辞令かと美怜が心配してたので、良かったです。」

「あ、やっぱり美怜ちゃんって、星狙い?」

はいっ?
気付いていたんですか!
いや、美怜は分かりやすかったけど。
口が滑ってしまった!
口、軽すぎでしょ、私!!!
一ノ瀬さんが美怜狙いだったらどうするの。
き、聞く?
もし、そうなら聞いておいた方がいいのかな?

「あの…もしかして、一ノ瀬さんは美怜を…」

「あはは、俺は別にそんなんじゃないよ。」

はぁ、そうですか。
良かった。
大失態だけは避けられた。
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