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戦国ラブドール
第18章 プロポーズ
冷たい風が吹き、たらいに張られた水が揺れる。大海は高虎の手によりその中へ放り込まれ、頭から水を浴びせられた。
「冷たい!! 自分でやるから、大丈夫だって!」
寒い季節の行水は、体を綺麗にするためとはいえ辛いものがある。心臓が止まる程の水を他人の手でろくな覚悟もなく掛けられては、大海も叫ぶしかなかった。
「うるさい、静かにしろ。俺だって冷たい思いをしてるんだ」
高虎は全く大海の言い分を聞かず、大海の体を濡れ手拭いで拭いていく。裸を晒し武士に洗わせるなど、本来は身分違いであり、恥ずべき事である。だが冷えた水は、思考を奪いただ大海を固まらせていた。
髪から体の隅々まで清められると、大海は高虎の部屋まで連れていかれる。そこはあらかじめ誰かに頼んでおいたのか、火鉢で暖められていた。
高虎は自分の膝の上に大海を乗せ、火鉢の前に座る。大柄な大海だが、それ以上に大きな高虎ならば、問題なくすっぽりと収まった。
「手が冷たい」
高虎はそう呟くと、大海の胸の谷間に片手を挟む。未だに着物を与えられない大海は、素肌に走る冷たさに肩を震わせた。