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戦国ラブドール
第20章 半兵衛は二度死ぬ
目覚めれば、大海は拘束を解かれ裸で布団に寝かされていた。
「ん……」
全身がぎくしゃくし下半身は痛み、水分は足りなく喉が枯れている。部屋はまだ暗いので、夜中なのだろう。体を起こせば、何があったか思い出すより早く半兵衛が抱き締めてきた。
「良かった……目が覚めたんですね!」
「半兵衛殿……?」
「このまま死んでしまったらどうしようかと……ああ、申し訳ありませんでした」
半兵衛の声は震えていて、今にも泣きそうなくらい悲痛である。大海が呆けていると、半兵衛は強く抱き締めたまま語った。
「痙攣が止まらなくなったまま、意識を失ったんです。私が責め立てたせいで……あなたを死なせてしまうところでした」
「あたし……、も、申し訳ありません殿、このような醜態を――」
「あなたが謝る必要はありません。これは全て、学習しない私が悪いのです」
自らを責める半兵衛は、とても意識を失う前の人物と同一とは思えない。とにかく、今は反論しても大丈夫な精神状態である。大海は意を決し、口を開いた。
「半兵衛殿、その……すいませんでした。昨日も待っていてくださったのに、断りもなく放ったからしにして」