この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
戦国ラブドール
第22章 束の間の夢も
 
 頬が膨れるほど突っ込んでやれば、ようやく吉継は止まる。すると大海はくすくすと笑い出し、呟いた。

「なんだか、夢の続きを見てるみたいだ」

「夢?」

「どんな夢だったかは覚えてないけど、賑やかで、明るくって、すごく楽しかった。いい夢なんて、どれだけ久し振りに見たのかな……」

 最近の大海の顔色を見れば、あまり眠れていないのは明らかである。幸せそうに笑う大海を見ていると、いがみ合う気持ちが皆の心から薄れていった。

「ずっと、こんな日が続けばいいのに」

 宴の時間は、必ず終わる。慰めの夜が過ぎ朝が来れば、勇気を奮い立ち上がらなければならない。だが夢の名残は、もう少しだけ甘えていたいと思わせた。

 佐吉は小さな溜め息を漏らすと、大海の頭をくしゃりと撫でる。

「それくらいの望みなら、いくらでも叶えてやる。馬鹿共の騒がしい言葉も、我慢してやろう」

 市松や虎之助も、棘のある言い方に苦い顔をしながらも同意し頷く。続いて、行長も孫六も、忙しく咀嚼したままの吉継も頷いた。

「皆……ありがとう」

 今ここには、尾張派も近江派も存在しない。いがみ合っていた六人は、大海を中心に円を作っていた。
 
/656ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ