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禁断の果実に口づけを
第19章 サヨナラの訳

 「何から何まで…有難う御座います。
工藤さんが居なかったら、途方に暮れてました」

 「真雪でいいわよ。朋子さん。
私の人生も屈折ばかりだからお気持ちお察しするわ。
でも、真雪って名前だけは好きなの。
ごっついおっさんオカマもこの名前で呼ばれたら可愛くなるでしょ?」
 
 一生懸命、朋子の気持ちを楽にしょうとし、話し掛ける真雪。
自然と笑みが溢れる朋子。

 「いいお名前ですね。真雪さん」

 「私の生まれた日に雪が降っていてさ、辺り一面の真っ白な世界が広がっていたそうよ。この雪の様に穢なき心を持ちなさいなんて願いを込めて、メルヘンチックな母親がそう名づけたの。
因みにWHITECANDYもその願いを込めて、健と名付けたのよ。
穢れなき少女を例えたのよね…。
でもね、私がこんなんなっちゃったから親が泣くんだわー
大介にしとけば良かったって!!」

 朋子は声を出して笑っていた。
本当は笑う余裕すらないくらい落ち込んでいたし、不安で不安で堪らなかったのに、やっと自分を心から心配し、励ましてくれる人と話せた。
地獄に仏とはこの事を言うのかもしれないと、やっとホッと出来た瞬間だった。

 「笑いなさい。
嫌な事を頭から一度追い払って冷静に考えるの。
朋子さん、あなたは不倫なんて似合わないわ。
正々堂々と生きた方があなたやお嬢さんの為よ。
オカマはね、どんなに愛する人が居ても、その人の子供が欲しくても授かれないの。
今のあなたより哀しい運命を背負って生きてんのよ!」

 「そうですよね……真雪さんと話していると、落ち着きます」

 オカマバーには行った事はないが、悪い事は悪いとユーモラスを混じらせながら話す真雪に好感が持てた。
健が信頼する意味も分かる。

 「私ね、会社ではマユキ・リラックスって呼ばれてるのよ」

 朋子と真雪は顔を見合わせて笑い合った。

 

 
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