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禁断の果実に口づけを
第19章 サヨナラの訳
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朋子はグレープフルーツハイのグラスを飲み干した。
「あら、いい飲みっぷり」
「居酒屋でお酒飲むなんて久し振りなんです。
娘が居たら我慢するとこ我慢しなくちゃいけないし…。
今日は嫌な事沢山あったけど、こういう時間も久々に持てました」
「いいお母さんしてるのね。
ならば余計よ。娘さんをこれ以上裏切ったらダメよ。
狡い女のままじゃダメ。
健がけじめをつけるなら、朋子さんもよく考えて娘さんに恥じないけじめをつけなさいよ」
「はい」
「でも、今日はお母さんお休みなさい。
私があなたの保護者になってあげるから、好きなだけ飲んでいいわよ」
「…有難う御座います」
「さぁ、女子会の始まりよ。朋子さんのお腹の中にあるものは、スッキリ吐き出しちゃいなさいよ。
私で良かったら聞くわ。
あっ、その前にお代わり貰おう!
何にする?」
「じゃあ、同じものを」
「私はピーチサワーにするわね」
「健さん、今頃奥様とお話されてるんですよね…」
「不倫する限り仕方ないわね。
上手くやってるつもりでも、バレたら修羅場は免れないわよ。
優美子さんにも驚いたけど、まぁ、健には良い薬。
どんな結果になろうと、それに関しては同情は出来ないわね。
夫婦が決める事に口出しするのも野暮ってもん。
でも、朋子さんの事より優美子さんと先に決着つけろと言ったのは私。
狡くなって欲しくないの。健にも」
「真雪さんの言う通りですね」
「世間一般論でしょ。
不倫して常識まで疎かにしたら、人間失格よ」
「痛いな…それ言われちゃうと」
「痛い事したんだから当然でしょ!」
「ですよね…」
真雪の言葉が心に浸透し、自分自身を見つめ直す朋子だった。
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