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禁断の果実に口づけを
第6章 洋子の変貌
 
 朝礼が終わると、休憩室でヒソヒソと昨日の洋子の車事件の話題でもちきり。

 小さな声で洋子に聞こえない様に女の陰険な陰口。

 「誰かが故意にパンクさせたみたいねー」

 「私じゃないわよ!」

 「あら、私でもないわよ!」

 「案外、川端さんだったりね……」

 「いや、それ違うんじゃない?
あんなに苛められてるのに助けたじゃない…」

 「そうよねー
でもさ、サスペンスの世界では、一番に駆けつける人間も怪しいのよ!
案外、犯人だったり……?」

 「滅多な事、言うもんじゃないわよ!
仮に川端さんだとしても、十分同情は出来るわ!」

 「そうね‥‥
ざまーみろ!って思ったわよ!」

 「そうね。
私も思った!」


 人の不幸は蜜の味。
特に目障りな洋子の不幸は喜ばれる。
自分が犯人ではないなら、後ろめたく思う必要もない。
堂々と笑う他人事。


 『誰が犯人でも良い。
自分じゃないし。
秋山洋子の困った顔を見れるのなら、むしろ有難いわ』

 朋子もそんなやり取りを聞いていて心の中で呟いていた。


 一方の伊織は‥‥

 『もしかして、川端さんだったりして?』と冗談でからかわれてもへっちゃらな顔をしていた。


 「やだぁ‥‥
違いますよ!
私にはそんな勇気ないですもん。
そこまで秋山代理に執着ありませんよ?
だって、怒鳴る事でしか自分を表現出来ない、可哀想な人なんですよ?

あんな風になるまで放って置かれたんですね…
周りから相手にされないから、あれだけ捻くれちゃつたんじゃないかな?」

 そう言いながら、ニコッと笑っていた。

 「やぁ〜だぁ〜
川端さん、そんな事も言えるんだ!?」

 「あっ、私、意外と面白いんですよ?」

 笑いを取る様な返しもする。


 ーー伊織ちゃんも少しずつ変わってきたわーー

 朋子は変な胸騒ぎを感じていた。

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