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エンブレム──奴隷契約編
第11章 エンブレム
「もういいです。それ以上圭介君を貶めるのはやめてください」
麻美は大きな目で田島を見つめた。
怒っていたのではない。
田島が何を言おうとしているのか麻美は大体察しがついていた。
「そんなバカげた話───」
圭介が言ったこの言葉が麻美には「他の男に汚された麻美とは付き合えない」と聞こえた。
圭介のために田島の辱しめを受けたのにである。
「どうやらお前も気づいているようだな」
スッと真顔に戻り田島は言った。
田島も麻美と同じ事を考えていた。
「麻美、教師として言っておく。お前はまだ若くて美しい、これからたくさんの恋を経験するはずだ」
この言葉に麻美はキッと田島を睨み付けた。
「私が美しい?こんなアザだらけの身体がですか?あれほどひどい辱しめを受けた私がですか?」
「確かにお前の身体が目当ての男達はそのアザと過去を知ると皆逃げ出すだろうな。だが、いずれ必ず現れる。お前がどんなに汚されていようと、どんなに惨めな過去があろうとお前だけを愛する男がな」