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第11章 エンブレム

「お前が俺の奴隷になった日の事を覚えているか？」

「はい、もちろんです……」


「あの日お前を辱しめた後、俺は圭介にこう言った。麻美は俺の奴隷になったがお前と別れたわけじゃない、気にせず今まで通りに付き合っていいぞと」


「はい、覚えてます。先生はそのあと大笑いしてました」


「ああ、あいつの返事に爆笑したよ。圭介の奴、そんなバカげた話は納得できませんとほざきやがった。ああ、こいつは麻美の事を愛していないなとわかったよ」


その日の事を思い出した田島はククッと笑いをこらえながら上機嫌に話した。

「なぜ笑うんですか？圭介君の言う通り、バカげた話じゃないですか」


「だって可笑しいじゃないか。バカげた話だと思うなら自分が犠牲になっていればよかったんだ。お前が辱しめられているのを黙って見ていた男が言うセリフじゃないだろ？」


言い終えた田島はたまらず爆笑してしまった。


「あいつはな、お前より自分の立場を優先したんだ。まあそれはよしとしよう。本当に笑えるのはその後さ」