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禁断遊戯~背徳と罪悪の狭間(はざま)で~
第1章 豹変
「ね……今、どんな感じ?」
「はぁ……し、らない……っ! やめ、て……お願い……!」
「オレも父さんと同じかな? 自分でコントロール出来るみたい……」
「!」
否応無しに、縦横無尽に這い回る彼の手は、少しずつ確実に、私の思考を狂わせていく。
そんな私の口から出るのは、懇願の言葉だけ――。
その最中、彼から飛び出した“自分でコントロール出来る”という台詞に、目を大きく見開いた。
それは、私の中で鳴り響く警鐘を、より一層大きくさせる。
――そ、んな……耐えている、事は……無意味、なの?
や、やだ……体が、言うこと……聞いて、くれない。
熱い……助けて…………
今の状況から逃れたい一心で、思考を張り巡らせるも、彼の手の動きの方が早く、どんどん追いつめられていく。
悠の時とは違う感覚に陥っている私の体は、彼にされるがままになっていた。
「……ちぃちゃん、流されたらダメって言ったのに……ね?」
「ぁ……っ! ん……?!」
小さく笑う彼の声が聞こえてきた瞬間――私の唇に、温かくて柔らかいものが触れていた。
――や……っ、う……そ!
わたし、柊斗くんと……キス、してる……!
「……ごちそうさま。美味しかったよ、ちぃちゃんのココ」
「?!」
「約束通り、今日はここまでにしておいてあげる。トイレ、行って来た方がいいんじゃない?」
私の体にかかる重みが消え、唇に感じたひんやりとした空気が、事の終わりを教えてくれる。
何が起きたのか――それは一瞬の出来事だったために、私は呆然としていた。
そんな私の聴覚を刺激したのは、彼の言葉の羅列。
「と、トイレって……!」
ハッと、我に返った私は、彼の顔を見つめた。
「だって、いつも……でしょ?」
「な……っ?!」
――なんで、悠ちゃん……出張なの?
自分が、情けない……年下の子に、からかわれて。
「もう、何もしないから、安心していいよ。でも、次は…………――――……?」
“覚悟、しておいてね?”
自分の情けなさに小さく息を吐いた私は、ゆっくりと体を起こす。
刹那――聞こえて来た“覚悟”という彼の言葉に、不覚にも心臓の鼓動を速めてしまった――。