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禁断遊戯~背徳と罪悪の狭間(はざま)で~
第4章 記憶


 十二月だというのに、雪も降らず、朝靄がかかっている。


「……戻って、着替えて、ギリギリ?」


 本当は、もう少し早く戻ろうと思っていた――時間に余裕を持って、行動したいのが私で。
 けれども、ほんの一時間前まで、悠に抱かれていた私は腰を摩りながら、少し考える。

 朝まで……というのは、付き合い出してから一度もなかった事。


 ――いつもと違う……悠ちゃん。
 キスマークなんて、つけないのに。
 でも……悠ちゃん、独占欲強いのかな?



 私の家は、悠の家から、歩いて十五分程度の所にある。
 家といっても、大して広くもないし、新しくもないアパート。
 お風呂、居間と八畳間の和室、台所があって、充分過ぎるスペース。

 私が、悠と付き合っているのは、アパートの住人も知っている。
 だから、朝早くに物音がしても、トラブルというものはなかった。



「おや、ちぃちゃん。今、帰りかい?」
「あ……おはようございます。え……まぁ、そうです」



 声の方へ視線を向けると、このアパートの一階に住んでいるユキさんの姿。
 おじいちゃんと、仲睦まじい姿をいつも目にしていて、それは少し妬けてしまう。



「そうかそうか。今日も、頑張りんしゃい」
「ありがとうございます」


 にこにこ笑うユキさんと、二言三言交わした私は中に入り、部屋に向かった。


 ――これと、これでいいかな?
 スーツは会社にあるし。
 あ、替えのブラウス……


 着ていく服――ジーンズとトレーナーをタンスの中から取り出し、ベッドの上に置く。
 職場に、別の服を置いてあるため、通勤の時はいつもその組み合わせ。
 もう1つ別なタンスを開けて、クリーニングから戻ってきたばかりのブラウスを置いて、浴室へ向かった。


 湯気が立ち込める浴室――昨日、悠と一緒に過ごした時間の事を思えば、体が少し火照る。
 壁に備え付けられた等身大の鏡を見れば、胸元に咲く真っ赤な花。


 ――いつか、消えちゃうのかな……
 消えて欲しくないなぁ……。
 初めてのときも……懐かしい。


 そんな事を心の中で呟きながら、シャワーの元栓を止めて、バスタオルを巻いた。

 濡れた髪と白いバスタオルを纏った自分が、洗面所の鏡に映る。
 映った自分の姿に、少し懐かしさを感じた私は、フッと小さく笑ってしまった。


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