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禁断遊戯~背徳と罪悪の狭間(はざま)で~
第4章 記憶


 着替えと準備を済ませ、軽く朝食を摂り、少し急ぎ足で会社へ向かう。
 車もあるけれど、節約ついでに、通勤は徒歩にしている。


「今日の給食、タルトだね」
「うん、楽しみ」


 ――へぇ……給食にタルトか。
 最近の給食って、豪華だなぁ……


 会社までの道のりは、意外と楽しかったりする。
 通学途中の小学生や中学生、高校生、運動のために歩くお年寄り。
 様々な人たちとすれ違い、時々、元気をもらう。


「私も、一日頑張ろう」


 大きな独り言を呟きながら、横断歩道を渡り、少し緩い坂道を登る。

 登りきったその先を左に曲がれば、勤めている会社。

 その職場は、閑静な住宅街と隣り合わせ。
 昼間は交通量も増えるが、夜は静まり返る――そんな場所に私の職場はあった。


 ――はぁ……やっぱり、坂道は疲れる。


 はぁはぁと、息を切らせて、坂道を登り、一息吐く――。
 会社に到着した私は自分の席のパソコンの電源を入れた後、給湯室へ向かった。


「……やっぱり、考えちゃう」


 お湯が沸くまでの間、少し茫然と立ち尽くす私は、休みの間に自分の周りで起きた事を考える。

 彼の謎の行動、愛奈の存在、そして――今まで一度もなかった悠の行動。



 ――愛奈ちゃん、いるのに……わたし?
 悠ちゃん、キスマークつけない人なのに……
 愛奈ちゃん、あの表情は……恋、だよね。


「千夏?」


 腕組をして、考え込んでいた時、男の人の声が聞こえて、チラッと横目で見る。


「あ、直人……おはよ」


 私が“直人”と呼んだ人物――苅田直人(かりたなおと)。

 異性の中で、恋愛感情抜きで、本音を語り合える人物。
 それこそ、他愛もない話を何時間も……というのは、周りは暗黙の了解。


「お前……便秘、なのか?」


 よほど、難しい顔をしていたのか、女性に対して少々失礼な事を聞いてくる。
 ケラケラと笑って、自分のカップを持って、私の横に立った。


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