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禁断遊戯~背徳と罪悪の狭間(はざま)で~
第4章 記憶


「でも……そのうち、ね。ちぃちゃんから、欲しがるよ」
「――……っ!? あ……っ、あぁっ! や……も……だ、め……ぇっ!」


 その彼が放った言葉に、私の中は大きく収縮し、彼の二本の指を締め付ける。


「うん、知ってる。指、すごい締め付けてるし……イッても、いいよ」
「ひ……あっ、あぁぁ――――っ!」


 浅く深くを繰り返していた彼の二本の指は、それ以上先はないという所まで到達する。
 その瞬間、私の中で大きな爆発が起こり、内股に温かいものが伝った。


「……っ、おっと……大丈夫?」
「……ふ……っ、は、ぁ……はぁ……っ」


 崩れ落ちそうだった私の体は彼に支えられ、ベッドの上に寝かされた。


 ――な、んで……こうな、るの?
 感じたく、なかったの……に。
 自分が、嫌だ……っ。


 私の体は絶頂を迎え、熱く火照る――相反し、心の中は凍てつくような風が吹いている。
 罪だと知っておきながら、彼の愛撫に感じ、挙句の果て、高みまで到達してしまった自分自身に嫌気が差した。


「……お風呂、入った方がいいかも? 俺、ちぃちゃんの声とイク顔見れたから、満足した」


 そんな私をよそに、彼はフッと小さく笑ってそれだけ言うと、静かに部屋を出て行く。
 夥しい量の蜜が溢れ出たその場所は、綺麗に拭き取ってあり――。

 何事もなかったように、静寂が訪れた私の部屋には、未だ落ち着かない呼吸音だけが響いていた。



 ――柊斗くん……帰ったんだ……。
 あなたは、私をどうしたいの?
 どうして、あんな事を……。


 過去の記憶は、新しくても古くても、私を支配する。

 忌々しい記憶も、車の中で起きた出来事も、そして――高みに到達する少し前に残した彼の台詞も――――。


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