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禁断遊戯~背徳と罪悪の狭間(はざま)で~
第5章 刻印


「…………八時。着替えなきゃ……」


 彼が帰ってから、どのくらい経ったのか判らない。
 ふと時計を見れば、あと一時間もすれば、悠が迎えに来る時間。
 何となく、気だるい体を起こして、浴室へと向かった――。


「…………」


 シャワーを出したまま、鏡の前に立つ私は、悠に付けられた赤い花にそっと触れてみる。


 ――まだ、残ってる……。
 悠ちゃん……こんな所まで、付けなくても。


 触れた場所は、大腿部の内側の付け根。
 そこに咲いた赤い花は、何を伝えているのか――正直、私には判らなかった。
 ほんの少し前、その場所を夥しい量の蜜が流れた。


「……ううん。そんな事……ない、よね。考えすぎ、かな?」


 いつもの悪い癖が、不安になった時に姿を現す。
 物事を深く考えるのは、私の悪い部分であり、それが的中してしまう事がある。

 悠と付き合ってから、私の中は随分と敏感になってしまったらしい。
 無論、悠以外の人物が、その場所へ入り込んで来る事もなかったのだけれど――数時間前までは。


 ――もし、気づかれたら……?
 何年も、悠ちゃん以外の人とは……。


 悠と知り合ってから、直人以外の異性とは話をする事はない。
 上司とは社交辞令程度の言葉しか交わさないし、女性が多い職場だから、私にとってお誂え向き。
 それは、悠も知っている事――だからこそ、すぐに気づかれてしまうのではないだろうか?と。
 考えれば考える程、不安は大きくなっていく。


「……え? もう、時間……?」


 不安に駆られている場合でもなかった。
 鏡に映った時計は、もうすぐ九時になろうとしている。
 慌ててシャワーのダイヤルを捻り、バスタオルを身に纏って、浴室を後にした。


 ――準備、出来た……けど。
 いつも通り、居られるかな?


 着て行く服はすでに用意してあったから、髪の毛を乾かして、悠が来るのを待つだけ。

 と、玄関のドアの向こうから、足音が聞こえて来る。
 コンコン、とノック音がして、私は少し躊躇いがちに、ドアを開けた。

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