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禁断遊戯~背徳と罪悪の狭間(はざま)で~
第5章 刻印


「千夏ちゃん、迎えに来たよ」


 ドアの向こうには、トレーナにジーンズと、いつも通りの格好をした悠の姿。
 その姿に安堵した私は、居間に置いてあった鞄を取りに、踵を返した――が。


「……悠ちゃん。うん、今行くね……っ?!」


 ――え……?


 踵を返したはずの私の体は、悠の腕の中――しかも、唇は塞がれている。
 かろうじて、玄関のドアは閉められていて、その行為が外から見える事はなかったのだけれど――。
 悠の行動に些か疑問を感じるも、されるがままになっていた。


「……ごちそうさま。疲れ、吹き飛んだ……顔、真っ赤だな」
「はぁ……っ、もう……びっくり、したよ。いきなり……だもん」


 どのくらいそうしていたのか――静かに離れた私と悠の唇。
 何かを拭い取ってくれるような優しいキスは、涙腺を緩ませた。
 そんな私を見て、悠はフッと笑うと優しく頭を撫でる――それは私の乱れた呼吸を落ち着かせるように、ゆっくりと。



 それからまもなくして、私は行き先が判らないまま、悠の車に乗っていた。
 どこへ行くのか聞いても、“着いたら判るよ”の一点張り。
 悠と一緒だから、どこへ行っても、不安はないのだけれど――――。


「千夏ちゃん、着いたよ」
「あ……ここって。懐かしい……」


 まもなくして、悠が車を停めた場所は――私と悠が初めて体を重ねた場所。

 その場所は、市街地から少し離れていて、近くには数件の民家がある。
 けれども、遅い時間になると、もう寝てしまっているのか、家の灯りは点いていない。


 ――本当……懐かしい。
 あの時、悠ちゃんと知り合ってなかったら……
 私、今頃、何していたのかな?


 車から降りて、辺りを見回し、ふとそんな事を思った。

 と、車のロック音が聞こえてきて、すぐに悠の声が耳に入ってくる。


「あの時、千夏ちゃん、自分は不感症じゃないかって心配してたよね」
「だ、だって……」
「けど……違うって事、俺が証明したでしょ?」
「う、ん……」


 ――あの時、キスするだけでも、ドキドキしてた……
 その後、一緒にお風呂入って……
 そして……――。


 悠の言葉は、あの時の事を走馬灯のように蘇らせて、煩いくらいに心臓が動き始める。
 記憶が記憶を呼び起こし、少しずつ体が熱くなって行くのを感じていた――――。

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