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今宵、君の全てを
第1章 今宵、君の全てを
定刻より15分遅れて飛行機が福岡空港に到着した。
羽田発の朝一の便。時刻はまだ8時半を過ぎたところだ。
ヘルプに出たまま、土日も帰って来られない真純。月曜しか休みのない俺はただ待つしかなくて。見かねた佐伯さんが突然日曜日に休みをくれた。
すぐに真純に電話して、飛行機を手配した。
久しぶりの逢瀬。一日ゆっくり一緒に過ごそうと思ってた。
なのに、到着ロビーで俺を待っていた真純は何故かスーツ姿で。
嫌な予感しかしない。
俺に気付いて小走りで近寄ってくる。恥ずかしそうにはにかむ笑顔が堪らなく可愛い。
髪、伸びたな……
「おっおはようございます」
「おはよう」
俺からも歩み寄って愛しい身体を抱き寄せた。甘く香る丸い頭に口元を埋めてキスをする。
やっと、会えた。
そう思ったのに、肩を竦めた真純が身を捩る。
「あっ、あの……」
「うん?」
「ごめんなさい、ちょっとトラブルがあって午前中仕事が入ってしまいました」
……だろうね
「飛行機が少し遅れたので時間があまりないんです。説明は移動しながらでも良いですか?」
腕の中から俺を見上げる真純の眉はハの字。急いでいる様子も伝わってきて。
「……分かった」
文句を言っても困らせるだけ。
名残惜しく思いつつも腕を解いた。
羽田発の朝一の便。時刻はまだ8時半を過ぎたところだ。
ヘルプに出たまま、土日も帰って来られない真純。月曜しか休みのない俺はただ待つしかなくて。見かねた佐伯さんが突然日曜日に休みをくれた。
すぐに真純に電話して、飛行機を手配した。
久しぶりの逢瀬。一日ゆっくり一緒に過ごそうと思ってた。
なのに、到着ロビーで俺を待っていた真純は何故かスーツ姿で。
嫌な予感しかしない。
俺に気付いて小走りで近寄ってくる。恥ずかしそうにはにかむ笑顔が堪らなく可愛い。
髪、伸びたな……
「おっおはようございます」
「おはよう」
俺からも歩み寄って愛しい身体を抱き寄せた。甘く香る丸い頭に口元を埋めてキスをする。
やっと、会えた。
そう思ったのに、肩を竦めた真純が身を捩る。
「あっ、あの……」
「うん?」
「ごめんなさい、ちょっとトラブルがあって午前中仕事が入ってしまいました」
……だろうね
「飛行機が少し遅れたので時間があまりないんです。説明は移動しながらでも良いですか?」
腕の中から俺を見上げる真純の眉はハの字。急いでいる様子も伝わってきて。
「……分かった」
文句を言っても困らせるだけ。
名残惜しく思いつつも腕を解いた。