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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第11章 ツカマエタ

そもそも彼女もまた、ハルトに会わないためになるべく家にいないように過ごしていたので、カルロを見ないのもそれが原因かもしれない。

ペタ ペタ ペタ

そして今日──珍しく早めに東城家に帰ってきたミレイは、引き窓と畳部屋の間を通る広縁( ヒロエン )を歩いていた。

「……あ」

そこで彼女は、縁側に座るスミヤに出会う。


「スミヤさん、こんにちは」

「……久しぶりだね」


窓を全開にした縁側で、和装のスミヤは黒い長銃を眺めていた。


夕暮れ時の茜色に包まれてしっぽりとしたその後ろ姿は美しい──。

実に十日ぶりの彼とは、挨拶を交わしただけで妙に緊張してしまう。


「……// あの…じゃあ、これで」

「──…もう行ってしまうの?」


そのまま素通りしようとした彼女を、振り返ったスミヤが引き留めた。


「今、紅茶を淹れているところだよ。予約していたチーズケーキがやっと届いたからね」

「チーズケーキ?」

「前に話したろう?チョコレートも良いけれど、違う組み合わせも試してみなよ」


ここに座ったら?と促され

彼女は言われるままスミヤの隣に腰を下ろした。



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