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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第25章 書庫



“ そうだ、どうせ…消えるなら… ”




「──…」


「…ッ…カル ロ…さ…ん」




カルロは、ミレイを抱き締めていた手を背中から首へと移動させる。



“ 母さん…… ”



そして彼女の首を撫でるように指でたどった後、ゆっくりと力をこめていった──。




“ 俺が、殺してあげたのに ”



親父は母さんを愛してなかった…。そんなあいつに殺させるぐらいなら、俺が…殺したのに。





「…あんた、殺してやろうか」


「‥ッ‥ハァ‥‥‥」


「あんたを殺したら…何かが変わるかもしれない。
親父に横取りされた愛情を…取り戻せるかもしれない……」



ギリッ‥‥



「なぁ…?いいだろ……?」




ミレイが聞いたのは…すがるような声だった。



いつもの気怠げな低音が、ミレイの鼓膜を切なく震わす。



受け入れてほしいのか

拒絶してほしいのか

どうすれば彼の心を慰められるのか、ミレイには選べない。






......





「──…何に、泣いてんの」




首を絞めるカルロの手首に、ポタリと涙が落ちる。


それはミレイの目尻から零れた涙だった。






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