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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第29章 契約の熱


「退学じゃない。──…卒業だ」


「卒業…?」


カルロは彼女を腕の中に閉じ込める形で、窓に手をついてきた。

迫る顔…

益々 縮まる距離。

また唇を奪われそうで、ミレイは声と身体を小さくした。



「でも卒業するには、誰かと契約しないと…っ」


カルロは " 卒業 " と言ったが、それが口で言うほど簡単でないことを彼女は知っている。

LGAにおける卒業は、他の大学や専門学校とは全く違うシステムなのだから。

年齢は関係なくて、成績すらも直接は関係ない。


「専属ガードマンの契約が必要だと…言うんだろ?当然 俺も、知っている」

「そうです」


外部の依頼をこなし、業界に名を広げ

そして専属の話を持ちかけられることが必要条件。


そして噂によれば、カルロはこれまで数えきれないほどの人間から、専属にならないかと誘いを受けているらしいのだ。


それでも彼は誘いを無視し続け──LGAに残り続けた。

《 専属なんて面倒だ 》

全ての理由はこのひとことに詰まっているらしい。



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