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星の島で恋をした【完結】
第13章 《十三》
     *



 二人はガゼボに戻り、先ほどと同じように背中を合わせて座って降ってくる星を見つめていた。

 セルマの右手とリクハルドの左手は絡めたまま、お互いの手首にある星を重ね合わせて。触れ合っている手首からお互いの脈を感じていた。



「ねえ、リクハルド」
「……ん?」
「もしかして、寝てた?」
「いや。気持ちよくて」
「寝てた?」
「寝てはない」
「そう?」


 んーといいながらリクハルドは背を伸ばした。セルマもそれに合わせて伸びをしてみた。



「スキアって」


 伸びをした勢いでセルマは聞きたかったことを口にした。



「いつ、倒すの?」


 セルマの問いにリクハルドは少ししてから答えた。



「明日にでも」
「……ん」


 スキアを倒すと……。

 セルマはその先の言葉を知っていながら、はっきりと形に出来なかった。いや、できたのだが、したくなくてうやむやにした。



「スキアの弱点ってなに?」
「虹」
「え?」
「セルマに宿った虹の星」
「これってスキアの弱点なの?」
「そう」


 リクハルドと繋いでいた手を離し、セルマは自分の手首を見つめた。

 背中合わせになっていたはずのリクハルドは身体を回して今度はセルマを背後から包み込んだ。



「これは俺と対になる証。だけどこれは争いの種になるから、普段は隠しておいて」
「……え?」


 リクハルドはそう言って伸び縮みする輪になった布を取り出してセルマに見せた。



「普段はこれをして隠してる」


 言われてみれば、リクハルドの手首に常に巻かれていた布地。なんだろうと思っていたけれど、そういうことだったようだ。



「セルマにもあげる」
「あ……うん」
「星を手に入れたものはとてつもない力を手に入れられるっていう伝説があるんだ」
「そう……なんだ」
「だから俺たちの一族は昔から王に護られていて、特別なことがない限り表舞台には出てこないのが基本なんだ」


 初めて聞く話にセルマはうなずくだけ。



「セルマのこと、護るけど。でも、セルマは俺の護りがいらないくらい強いから」
「うん、いらない」
「ひどいな。好きな女を護りたいと思ってるのに」
「護るどころか最初からひどかったよね」
「……あれは悪かったって」
「一生、許してあげないから」
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