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星の島で恋をした【完結】
第13章 《十三》
 セルマの言葉にリクハルドは息をのんだ。そして大きく深呼吸をした後、宣言した。



「一生をかけて償うよ」
「許してあげるって言ってあげないよ?」
「いいよ。俺を許さないで。許してもらえなくても償うから、だからずっと側に置いて」
「……側には置いてあげない。だってあなたはこの島を護らなければならない」


 セルマの言葉にリクハルドはまたもや息をのんだ。



「この島を護ることが、きっと私も護ることになると思うから」
「……うん」
「私、スキアを倒せたらカティヤ王女のところに戻る」


 セルマはようやく決めた未来をリクハルドへと告げた。

 胸が痛んだけれど、セルマの居場所は最初からカティヤ王女の側だ。リクハルドの隣にいることはできない。



「……うん、そうだな。セルマはこの島に縛られてない」
「うん」


 セルマはごめんねと言いそうになったがその言葉は飲み込んだ。

 リクハルドの使命はこの島を護ることであり、セルマの側にいることでも、護ることでもないのだ。

 ましてや、セルマもこの島を護るためにここに来たのではない。もう一度、カティヤ王女を護るためにここに来たのだ。目的を間違ってはいけない。



「セルマ」
「ん?」
「キス、するよ」


 リクハルドはセルマの前に移動して、頬を撫でた。



「ふふっ、リクハルドって面白いね。断らずにすればいいのに」
「セルマも同じ気持ちなのか確かめたいから」
「私はいつだってリクハルドとキスをしたいよ」


 蜂蜜のように甘ったるい光を宿した金色の瞳は空から降る星を映していて昼間よりもきれいだった。



「いっぱい、キスして」


 セルマの願いにリクハルドはセルマに何度もキスをした。
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