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星の島で恋をした【完結】
第2章 《二》
 セルマの口からは思わず甘い声が洩れ、ぞくりと全身が粟立ったのが分かった。

 治療をしていると言ったが、これが本当に治療なのだろうか。

 矢を受けた左肩は動かすだけでひどく痛む。その場所になぜか濡れた感触がある。ぴちゃりという音で、なにをされているのか分かった。

 舐められている──。

 しかもそこからぞくぞくした痺れが広がっていた。

「ン……っ」

 勝手に甘ったるい声がセルマの口から洩れた。

 その声を聞いた背後の人物は、ふんっと鼻で笑った。

「感じてるんだ?」

 感じているのかと聞かれ、セルマは首を横に振ろうとしたが、動かすことができなかった。

 そのことを男がどう思ったのか分からないが、男の指が傷口の周りにふれているのが分かった。

「──この肩の傷か。なるほど、かなり厄介だな」

 男はそう言うと、またもやぺろりと舐めたようだった。セルマは変な声を上げそうになり、必死になって歯を食いしばった。

「傷口は美味しくないが、おまえの肌は驚くほど美味いな」
「なっ……!」
「ほかも見てみるか」

 男はそういうと、セルマの背から少しだけ身体を浮かせたようだ。離れてくれるのかと安堵した。

 しかし、セルマがほっとしたのもつかの間、脇の横から手が伸びてきて、うつ伏せになって潰れた胸に手を這わされた。男の熱い手に、セルマは身震いした。

「あっ……! なにをするの!」
「身体に毒が回っていないか、確認をする」
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