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第1章 邂逅

暗闇のなか、
懐中電灯の光が照らした。

「あんた何やってるの？
死のうとしたのか！？」

色白で細面の茶髪の若い男性が、
詰問する。

「死……にたいのよ！
あなた誰よっ、何で邪魔するのよ！」

ぺちん、と頬を張られた。
「命を粗末にするなっ、
死んだって何も変わらねぇよ！」

めぐるは、パニックのあまり叩き返した。
「あなたに何が分かるのよ！
わたしはねぇ、全て無くしたのっ！」

「………それだけ叫べて怒れて五体満足なうえにカワイイ顔で何も無くしてないだろうが」

「あなたには分からないわ。知らない人間に言われたくない。
わたしは世界で一番愛してる人に捨てられたのよ」

「何だ？二股されたか？」
うっ………
鋭い。

「……そうよっ、結婚する予定の彼が他の子と浮気してて子供ができてそっち行ったの！」


「なぁんだ、そんなことかよ………」ガクッと項垂れた。

「そんなことって何よ、
わたしには家族はもう居ないのに！
だから死んだら父さん母さんに会えるから行くんだから」

錯乱して涙を流して叫ぶめぐるを、
男は制した。

唇に唇を重ねて。。

「―――――！！」
抗うが、地面に押し倒された。
足で男を蹴るがびくともしない。