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花咲く夜に
第8章 旅立
『あいつもバカだよなあ?直接言えば皆困惑しなくて済むのにさ。

めぐるちゃん、
貴斗は1人よがりなとこがあるけど……
凄く温かくて良いやつだよ』



めぐるは涙が流れた。


ぽろぽろと………


連なる文字から、
貴斗の居場所がやはり東京だったことが分かって力が抜けた。


―――それに。


〔めぐるを見ててほしい。〕


無機質な文字の羅列なのに………
貴斗の温かさが伝わってきた。


指先で涙を拭う。
『………すみません、
泣いちゃって』
優に謝る。



『ハンカチ〜〜〜ねーな……。
貴斗、バチが当たるな!
めぐるちゃん泣かせやがって』
ポケットを探りながら優が苦笑いをした。
















「めぐるちゃん、貴斗は温かくて良いやつだよ。」


車を運転して帰りながら、優の言葉を反芻する。


(知ってます……
ムキになったり、優しかったり、ぶっきらぼうに見えて凄く愛情深いのを。)



きっと、私が一番知ってる。

めぐるは、車内にあった緑色のハンドタオルで涙のあとを拭いた……………
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