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花咲く夜に
第8章 旅立
『だから、貴斗が帰るまでは父さんには言わないで。父さんのことだから、
もの凄く怒りそうだし』
『………そうね、
〔何て男だ〕とか何とか言い出しそうだわね。
昭恵さんはもちろんあなたの妊娠知ってるのよね?』
『うん。
喜んでくれてるよ』
『そうなのね……
―――めぐる。
愚問だとは思うけれど。
産むのよね?』
母はおずおずと訊く。
めぐるは、
ハッキリと『うん!』
と答えた。
『……分かったわ。
ハッキリした意思があるなら、貴斗さんを待つしかないわね。
週末に拓海と一緒にそっちに行くわ。
昭恵さんともちゃんと話さないとね。
………貴斗さん、
連絡が無いなんて一体どうしてるのかしら』
めぐるは通話を終えた。
下腹を右手で擦る。。
〔貴斗さん、
どうしてるのかしら……〕
母の呟きがザラリと残った。
『………ホント、
どうしてるのよぉ………』
夜になっても返信も着信もない。
『………貴斗………
早く帰って来て……』
静まり返った室内に、
めぐるの切望が溢れ落ちた。
もの凄く怒りそうだし』
『………そうね、
〔何て男だ〕とか何とか言い出しそうだわね。
昭恵さんはもちろんあなたの妊娠知ってるのよね?』
『うん。
喜んでくれてるよ』
『そうなのね……
―――めぐる。
愚問だとは思うけれど。
産むのよね?』
母はおずおずと訊く。
めぐるは、
ハッキリと『うん!』
と答えた。
『……分かったわ。
ハッキリした意思があるなら、貴斗さんを待つしかないわね。
週末に拓海と一緒にそっちに行くわ。
昭恵さんともちゃんと話さないとね。
………貴斗さん、
連絡が無いなんて一体どうしてるのかしら』
めぐるは通話を終えた。
下腹を右手で擦る。。
〔貴斗さん、
どうしてるのかしら……〕
母の呟きがザラリと残った。
『………ホント、
どうしてるのよぉ………』
夜になっても返信も着信もない。
『………貴斗………
早く帰って来て……』
静まり返った室内に、
めぐるの切望が溢れ落ちた。