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花咲く夜に
第8章 旅立
翌日から、再び郵便局勤務が始まった。


昭恵は朝早くから牛舎に入って力仕事をしている。

『昭恵さん、
体堪えちゃいますよ』
めぐるが代わろうとすると、
『ダメッ!
安定期までは安静にしときな〜〜〜。
大丈夫だよ、あたしゃ。
ずーっとしてきた仕事なんだから』
とめぐるに軽作業のみしかさせない。





『はい、
弁当こさえたよ。
持って行きな』
出掛けに昭恵が弁当箱を手渡してくれた。


『こんなことまでして貰ったら、悪いですって』



昭恵は『持って行きなって。
―――ごめんよ。
あの子が居ないと不安だろ?
その償いだと思って食べてよ』と目を見て言う。




めぐるは、
昭恵の真剣な目に『じゃあ……お昼にいただきますね』と受け取った。

貴斗のワゴンRを運転する。


貴斗の匂いが残っている。
(不安だよ………ホントは)

母・恭子には毅然と「産む」と言ったものの、
初めてのことで貴斗は不在だし不安が募る。
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