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花咲く夜に
第2章 移転
―――翌日午前5時半。

ハッと目を覚ました。

『……あれ?
居ない…………』


ベッドを見ると女が居ない。
もぬけの殻だ。

『あ、やば。
もうこんな時間だ』
貴斗は慌ててスウェットのまま下階に駆け降りる。。


『あははは、
お祖母ちゃんやだぁ〜』

『いやね、
こうしとくと取るのが早いんだよ』

女と老婆が台所に立ち2人で大笑いしていた。


春の朝方、
外はじわじわと明るくなりつつある。

『入れとくと痛くなるんだよ。
だからアタシこうして食器棚に置いとくの』

『痛いってよく言いますね。
自分のじゃないからそれは分かる気がします……あっ、
おっおはようございます!』

めぐるがこちらに気付いて頭をペコリと下げた。

『…オハヨウゴザイマス……』
『あんだぁ、
タカは寝起きの機嫌が最悪だなぁ〜ガイジンさんみたいな喋り方だわ』
祖母が快活に笑った……………


――――――――
『入れ歯が痛くて外しては棚に置いてるんだよ』
貴斗は牛舎にてエサをやりながら、
めぐるに言う。


めぐるは物珍しげにキョロキョロと頭を動かし、
『でも衛生上ちょっと良くはないですよね。
入れ歯は容器に入れたほうがいいですよ』
と応える。


貴斗はエサやりをしながら一頭一頭の目や鼻、口周りも確認する。
(目あにや爛れもないな、よし!)

慌てて作業服に着替えて、朝御飯も食べずに牛舎へ走った。
寝坊をした。

20頭程の牛を飼っている、畜産農家である。
めぐるは臭いは嫌ではないのか?
口も押さえず目を輝かせて牛を見ている。


『あのー、
何か出来ることはありますか?』


『ねぇアナタ、
祖母に何て説明したの?』貴斗は質問には答えずに欠伸を噛み殺しながら訊ねた。

『ああ、
友達です…って言っておきました。怪しいですし私』
(自覚はあんのか)

―――それにしても、
変な女だ。
あの強情な祖母が初対面で笑った人間など初めてではないだろうか。



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